■ アヴァラー・シンの事件簿
しん サン 
アヴァロンの鍵弐のロケテ期間中に起きた事件をまとめる、アヴァラー・シンの事件簿
人が集まれば、ドラマが生まれ事件は起きる…儚い夢を追いかける人々の悲しくも切ないストーリー(大嘘

■ ファイル4

<巨星、堕つ>

新ロケテ2の時代。

Kは朝10時の開店と共に池○GIGOに入り、25時の閉店と共に並ぶという行動を連日繰り返し、家に帰る事すらしなかった。
当然その間は同じ服装、お金がなくなればカードを売りまたそのお金でゲームをする
…最強腐女子、
この名で呼ばれるまで時間はそうかからなかった。

もちろんKは新ロケテ2の時代も数々の問題やトラブルを引き起こす。
だがその全てを掌握している人間はいない。数が多すぎる事と闇に葬り去られたトラブルもあったからである。


ロケテが終わるとKの出撃数は激減、トラブルの数もそれに比例し激減した。
その間に魔導競技会などの大会も行われ、常連も店員も楽しい日々を過ごす。
だがそんなマッタリとした幸せな時間はそう長くは続かなかった。

8月24日…アヴァロンの鍵弐のロケテがスタートする。
それも池○GIGO1店舗のみ…これが何を意味するのか、その時の私は深く考えはしなかった。


連日起きる事件の数々(ファイル1〜3参照)これらは2chにも若干書かれ、叩きの対象になっている。
当然Kの事も話題に挙がり、2chではロケテクィーンと呼ばれSランクをとるまでになる。
他のSランクには、豊富なカード資産で世界を名乗る者や、旧ロケテ時代に伝説の鮫と呼ばれる者の2人…その道では知らない者はいない彼らに、ついに肩を並べるまでになったのだ。

余談だが、既に女王様と崇められている女性がいた為、Kはロケテクィーン(ロケテ中にトラブルを起こす女王様)の愛称(?)で呼ばれる事になる。
そして2chアヴァロンの鍵の晒しスレ5のサブタイトル、【残りは】【消防車のみ】とは、Kが消防車を呼べば警察・救急車と3タテ実施を皮肉ったサブタイトルである。


9月11日(土)

私はアヴァロンのロケテに並ぶために、池○GIGOに来ている。
待ち時間は友人達とDを楽しくプレイ。もちろんKもDをしているので、トレードしたり引いたカードを見せ合ったりして時間を潰す。
友人のアヴァロンが終わり、私達はトレードテーブルで今日の引きの話しをしていた。
もちろんそこにはKもいて、
「今さっき肉引いたから、二千とウォーアックス(300ぐらい)で売ったよ」と言ったので、
私は「飴の肉買い取り二千だよ。もったいなくない?」と言ったら、ちょっと残念そうな顔をしてその場を去った。
気がつくとすでに9時を回ってたので、私と友人はそれに続くように帰路につく事にする。
エレベーターに乗る前にふと振り返ると、Kの後ろ姿が見えた。それが池○GIGOで見るKの最後の姿になるとは、この時私も友人も想像はしてなかった…

※ちなみに池○GIGOの建物内での、カード売買は禁止されています。
きっと外でしたんでしょう。きっと…


9月12日(日)

私はいつもと変わらない時間に起き、自転車に乗って駅に向かう。
7時53分の池袋行きの電車に飛び乗ると、私は少しの間だけ目を閉じた…
池袋に着くと私は通りなれた道を進む。池○GIGOに着いたのは20分過ぎ。
整理券を貰いに歩く途中で、店員Aさんとアヴァ仲間1人を含め3、4人が真剣な表情で話していた。
私はとりあえず整理券を貰うと、彼らに歩み寄り聞き耳を立てる。

「これでやっと静かになる」

「ああゆう熱心お客様が私共を支えているんですが…」

「あいつはしょうがないよな」

……?
何の話しだ?
私は話しに割り込みアヴァ仲間に何があったのか聞いてみた。
帰ってきた言葉に私は驚愕する事になる。

「あぁ、K、出禁決定」

……出禁…決定?
…そんな馬鹿な!
声には出さなかったが、私は驚きを隠せなかった。
そもそもゲームセンターには出禁自体を強制はできず、あのKが引き下がるとは全然思わなかったからである。

話しを最初から聞くと、私達が帰宅した後、11時半ぐらいにまた倒れたとの事だった。
救急隊員に処置をしてもらい、警察立ち会いの下でGIGO責任者、スタッフ、警察、救急隊員そしてKとの話し合いがスタッフルームで執り行われた。
その話し合いは終電を過ぎても続けられ、結論としてKは2度と池○GIGOの敷島を股がないと言う事で話しがまとまったらしい…

ロケテクィーン池○GIGO出禁の情報は、すぐにネットに流れた。
当然それは開店した池○GIGO5階でも同じである。
アヴァロン界の巨星墜落…それは一つの時代が終わった事を示した

それから数日後、あいかわらず池○GIGOは、ロケテの人間で混雑している。
だがそこにKの姿はなかった。

私はおもむろにアヴァロンのコミュニケーションノートを広げ、出禁の数日前に書かれたKの書き込みを読み返す。

行動や形はどうあれ、彼女もアヴァロンを愛した1人の人間だったのかもしれない…

■ ファイル4 <巨星、堕つ>

・・・完・・・